発達障害って、何の障害?

「発達障害」とは「ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害)、その他これに類する脳機能の障害であって、通常低年齢において発現するもの」と定義されています。

脳機能の障害といっても、MRIで確認されるようなはっきりとした「損傷」ではなく、神経の何らかの「不具合」のような感じです。

脳は常に発達しています。特に子どもの脳は良質な刺激を外部から入れることで、不具合を調整しながら育ちます。「発達障害」のような症状がある場合も、刺激や環境調整で健やかに育ちます。

身体障害の場合は、物理的な環境が「障害」になることもありますが、「発達障害」の場合は、一人でいるときや自宅ではあまり困ったことは起きません。一方で、幼稚園や学校など集団での活動の中では、さまざまな困ったことが起きます。そういう点では「社会性の障害」と捉えらえることもあります。けれども、実は整えられた環境ではお友達と仲よく遊べたり、落ち着いて学習できたりします。

「発達障害」と言われる子どもの中には、「見る、聞く、記憶する」が苦手な子どもが多くいます。苦手を取り除いてあげると、本当はとても社会性が高いお子さんもいます。

子ども一人ひとりを理解しようとする社会では、「発達障害」は「発達過程」に過ぎないのかもしれません。